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おかやまいっぽん日記(3)

 選挙の世界に近づいてみると、だんだん戦闘的になっていき他人を攻撃し始める人を見聞きします。差別発言とか、ポスター破りとか、そういうのを見ると浮動票を持つ人たちは引いていくのではないかと不安になります。ひょっとしてネガキャンの人たちは、それが狙いなのかな?

 

 だとすると、本当に民主主義のために政権を変えたいと思う私は、こういうネガティブな攻撃にも絶望しないで、淡々とやるべきことをしないと。そしてほかの人にも、絶望しないよう声をかけていくことが大切なのかもしれません。

 

 投票に行く時間が取れないので、夜7時、思い切って丸腰で期日前投票に行ってきました。

 

 

期日前投票は土曜、日曜も8:30〜20:00まで開いています。詳しくはこちらのサイトへ。

 

http://www.city.okayama.jp/senkyo/senkyo_00132.html

 

 夜7時を過ぎると、もう市役所は期日前投票のためだけに開いているわけで、警備員の人たちも「待ってました」とばかりに案内してくれます。

 

 丸腰とはいっても、運転免許証と印鑑くらいは持っていた私。ところが

 

「宣誓書のところに名前と住所と電話番号を書いてください」(鉛筆渡される)

「はい」(かきかき)

「では隣の受付へ」

「はい」

「では入場してください」

「はい」

「はい、小選挙区の投票用紙です」

 

えー、もう投票していいの?本人確認とかしないの?えー…と思いつつ投票。

 

「はい、比例区の投票用紙と最高裁判所裁判官国民審査の用紙です」

 

うわー、もう最後まで来て、終わってしまった…。

 

本当に丸腰で投票できてしまったのでした。

 

ていうか、こんなのでいいんですか?いつも市役所で執拗(しつよう)に求められる本人確認は一体なんだったの…。

 

あっという間に終わってしまうので、どこに投票するかしっかり自分に言い聞かせてから投票に臨んでください。つい忘れそうになります(笑)。

 

安倍政権を終わらせるため、野党共闘を進める私としては、岡山1区なら高井さん、比例区は共産党をお勧めしています。

 

でも与党も野党も、投票に行くことが大切。早く行って、早く楽になりましょう〜。

 


おかやまいっぽん日記(2)

 野党共闘を支援する市民団体「おかやまいっぽん」。

 本日は、朝30分間プラカードを持つだけの簡単なお仕事です!報酬は…自己満足感(笑)?

 

 

 この日は朝8時から30分間、岡山駅近くの国道沿いの交差点に立って、通勤・通学の人たちに見てもらえるよう「選挙に行こう」系のプラカードを掲げてきました。

 

 この「スタンディング」という選挙ボランティアは2年ぶりくらいです。30分だけ立っているといっても、精神的には前後の30分〜1時間くらいはそちらの世界へ持っていかれちゃうので、体感的には2時間くらい働いた気分になります。

 

 通行中のみなさんは自分の身なりを整えて目的地に着くために必死です。私だって現場に到着した時点ではぐったりです(笑)。だから、朝は余計な声は出さず、さわやかさを装って静かにカードを掲げています。

 

 流れていく車や自転車の群れを見ているのは楽しいものです。信号待ちのみなさんも短い間の暇つぶしで、結構プラカードを見ているような気がします。

 

 この時間、静かに通勤・通学の人たちの空気に寄り添っている感じが、私は結構好きです。朝8時に車や自転車を走らせている人たちというのは、勤勉で真面目な人たちなんでしょう。毎日が家と会社の往復だけ、という人に街中で会えるとは、なんと貴重な機会であることか(笑)。

 

 早起きに少し自信のある人なら、比較的やりやすい選挙活動かなと思います。飛び入り大歓迎。プラカードはスタッフさんが用意しています。今回おかやまいっぽんは、平日は国道沿いなど、週末はイオン岡山の地下連絡通路でスタンディングを続けるそうです。私も(体力が続く限り)また行こうと思っています。

 

 おかやまいっぽん「10.22VOTE TOGETHER スタンディング」主な実施場所


◆岡山市北区清心町 清心町交差点
   10/12〜20 平日の朝8:00〜8:30
◆岡山市北区大供 大供交差点
   10/12〜20 平日の朝8:00〜8:30
◆イオンモール岡山地下連絡通路 10/14,10/15  11:00〜13:30
                                    10/21 11:00〜17:00
◆倉敷市 庄新町入口交差点 10/18(水)16:30〜17:00
◆津山市 椿高下交差点10/13〜21 毎朝8:00〜8:30 
◆赤磐市 旧赤坂町道満医院角 10/18 7:15〜7:45(「総がかり行動あかいわ」さん)

 

 


おかやまいっぽん日記(1)

ということで、岡山1区・高井たかし候補の選挙対策(選対)事務所へ選挙の手伝いに行ってきました。


何でも選挙初日は、すべての配布ちらしに証紙シールを貼るという人海戦術の仕事があるらしく、そのお手伝いに行ってきました。

 

自分の仕事もあるので、今日のボランティアは1時間の予定です。

 


事務所は表町商店街のシンフォニーホールそば、時計台のふもとに開いていました。これは分かりやすくていいな〜。


実は選挙事務所で手伝うのは初めてかもしれない。…やっぱりやめようかな。いやいや、ここまで来たのだから…でも怖いかも…(笑)。

 

「あの、おはようございます。お手伝いできることがあったらと思って来たんですけど」

 

「あら〜、ありがとうございます!じゃあこちらへ」とあっさり通してくれました。あんまりいろいろ聞かれなくて良かった(笑)。


事務所は1,2階にあるらしく、1階では15人ほどの人が証紙貼りをしていました。男女は半々、結構年上の方が多いな。高井さんは若いけど、支えるスタッフは60歳以上が多い感じ。若い人は忙しいのか、やっぱり入りづらいのか…。


とりあえずA4判のちらし500枚の束を渡され、切手の半分くらいの大きさの証紙シールを一枚ずつ、張り付けていきます。500枚の証紙を貼るのにかかった時間は40分。意外に時間がかかります。

 

「あのー、ちらしは何枚あるんですか?」
「1万1千枚です!」
「うわ、今日終わりますか」
「終わらないです!」


ということで、私はもう少し頑張って合計1000枚のちらしに証紙を貼りました。


黙々…。

 

 

政治に不満のあるときは、ツイッターで怒りを募らせるより具体的に動いた方が精神衛生上すっきりする、というのはここ数年で学びました。証紙貼りもそうです。少なくとも1000人の人のためにちらしを整えたので、自分は1人1票しか持っていないという絶望が、少し和らぎました。


ただ、事務所を出ると、なぜかどっと疲れた気がしました。スタッフさん自体は「いつものことじゃけん〜」みたいな感じでしたけど。事務所にいると自然に気分が高揚してエネルギーを使うのかもしれません。選挙の手伝いっていつもそんな気がします。だから燃え尽きないように気をつけないと。


高井さんの事務所は夜7時ごろまで作業しているそうです。証紙貼りが終われば、電話かけ、はがき書きなど、いろいろやることがあるそうです。30分でもいいから手伝いに来てください、とスタッフの方はおっしゃっていました。行くことで体感できる「空気」を感じるのもよいかもしれません。

 

≪衆議院選挙、立憲野党候補の選挙事務所≫


◆岡山1区 高井たかし選挙事務所
〒700−0822岡山市北区表町1−3−8(旧TKカンパニー)
電話086−230−0600
fax086−230−0601


◆岡山2区 垣内京美選挙事務所
〒703−8286岡山市中区旭東町2−6−10
電話086−271−5426
fax086−271−1778


◆岡山3区 尾崎ひろ子選挙事務所
〒705−0013津山市二宮1294−1
電話0868−28−7260
fax0868−28−0849


◆岡山4区 平林明成選挙事務所
〒710−0038倉敷市新田1294
電話086−421−7616
fax086−423−0225


◆岡山5区 美見芳明選挙事務所
〒719−1131総社市中央6ー10ー105
電話0866−90−2755
fax0866−93−057

 


韓国哲学と日本の天下取り

「韓国は一個の哲学である
〈理〉と〈気〉の社会システム」
 (講談社学術文庫)

https://www.amazon.co.jp/dp/4061494309/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_zPZ2zbW13CCJR

 

 

朝鮮半島の核実験で世界中が緊張する中、私は韓国の人たちの思いをもっとリアルに知りたいと思って文化、歴史の本を読み始めたのですが、これがなかなか面白くてすっかりはまっています。そんな中、この本を手に入れました。

 

1冊の本でその国の思想が分かるなんて怪しい、と思うかもしれませんが、私はかなり多くの疑問がすっきりしました。1ページ1トピックという、参考書並みに見やすい作りなのも魅力です。

 

この本では、韓国の思考様式は「理」と「気」によって成り立っている、と説明しています。「理」とは、ものごとの本質、自然に備わっている摂理、法則などを指します。「気」は、人の喜怒哀楽といった情や欲のことです。

 

「理」が「気」を制御・統治するのが韓国の社会秩序です。ところが、権力と利権を持ち始めると欲望(気)が大きくなって、その人の「理」は曇ってしまう。そこへ、新たに曇りのない「理」を主張する人が出現し、古い権力者を倒す、ということが長年繰り返されてきた、と説明されています。

 

そんな韓国にとって、日本は「理」のない国に見えるのだそうです。(韓国ほどに)主張や大義を述べず淡々と物事にあたっている姿が、そう見えるのでしょう。その割に韓国に対して意見を曲げなかったりするので「韓国は理(道理)を主張して正しいことを明らかにしているのに、なぜ日本は理(道理・理由)がない(ように見える)のに従わないのか」と怒りを常に抱いている、というのです。

 

「理」は権力志向であり、理を推し進めると「理による支配」を求めて闘うようになるのだそうです。韓国は常に中国、日本から侵略される中で闘い続けるために「理」の思想が強固になっていった、といいます。

 

日本も帝国主義時代には、朝鮮半島と同じ儒教思想を取り入れ「理」を強化して効果絶大だったことを考えると、「理」の力は日本にとっては劇薬なのかもしれません。

 

「理」と「気」の理論は日本にも十分当てはまるけれど、日本では「理」と「気」が良好なバランスを取るときに政権が長く続き、そのバランスを最も重視して政治を進めてきたように思います。このバランスが崩れた時に帝国主義が生まれ、または乱世となったのではないでしょうか。

 

 ついでに、今の選挙のことも考えてみました。

 

 安倍さんと小池さんは「自分に理(道理)がある」と主張しながら、何に対して闘っているんでしょうか。安倍さんの悲願である自主憲法の制定によって「取り戻す」もの。それは「主権」なのではないでしょうか。一部の政党が、国民から、主権を取り戻すための闘い。

 

主権をめぐる争いは、時代が時代なら内戦ですが、日本は国民が主権者だという根拠を憲法に集約しているので、逆に憲法さえ書き換えれば簡単に「無血革命」を起こせると考えているのだと思います。「ドイツはそれでうまく(独裁を)やったじゃないか」というのが、麻生さんの弁です。

 

「革命」が目に見える形で劇的に起こる韓国。見えにくい形で淡々と進んでいく日本。実は、今回の選挙の争点は政党の選択ではなく「主権の選択」なのではないか、と思うのですが、どうでしょうか。

 


簡体字から日本漢字に変換するシステム(法務省)

入国管理局正字検索システム 

 

http://lapse-immi.moj.go.jp:50122/

 

ええー!こんなシステムがあったとは…。

在留カードに漢字名を書いてもらうときは、日本の正字に直さなければいけないのです。


在留審査処理期間の公表 法務省

在留審査処理期間(日数)の公表について

法務省

平成29年度から,全国の地方入国管理局における在留審査の処理期間の平均日数を公表します。

※1 四半期ごとに公表します(処分日を基準としています)。

http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00140.html

とのことです。

 

実際の岡山での審査期間の感覚からすると、認定証明はこんなに早く結果出てたかな〜、という感じ(技能、経営・管理は3か月弱で、こんなものか)と思います。

 

期間更新、資格変更はこんな感じかもしれません。申請内容が基準に触れるような問題がなければ、ですけど。「個別審査」だから事例によって差が大きいので、これで安心してはいけないんですよね。いまだに他の入管エリアでは6か月待ちの例があったとか聞きますから。

 

標準審査期間のこと、結構前向きに改善しようという努力があるのはありがたいです。

 

 

 


機密書類を粉砕処理しました

 

 毎年恒例、リバースプラザさんで機密書類の破砕&リサイクル処理をお願いしました。安心して預けられるので助かります。ありがとうございました。


結婚相談所とトラブルになったとき(国際結婚)

強引に国際結婚させて海外の配偶者を入国させようとする結婚相談所が、日本人依頼者との間でトラブルになり、相談に来ることがあります。

 

結婚にいたる経緯について、うその内容を書いて許可を得たりすることは虚偽申請となり、違法です。

 

うその内容で申請しようとする結婚相談所とトラブルになった場合は、契約は無効だと主張することもできます。うその内容で申請することに反対したため計画がつぶれた場合は、違約金を払えと言われても、払う必要はありません。

 

注意を呼び掛けるちらしを作ったので、必要な人に渡してあげてください。

 

ちらしのダウンロードはこちらから

https://www.dropbox.com/s/293cvrfjksuxdh5/cautionmarriage170703.pdf?dl=0


つれづれ書評「負債論 貨幣と暴力の5000年」

「負債論 貨幣と暴力の5000年」デヴィット・グレーバー著、770ページ、6480円。「負債論が高すぎて買えない!」という声も多数。

 

 「自分が歴史の真っただ中にいる」というのを自覚するのは難しいけど、資本主義が瀬戸際に来ているらしいこと、資本主義を維持するためには、破たんしてでも戦争ビジネスを加速させるしかないと富裕層と権力者が思っているということ、我が国の首相は、破たんに向かう暴走列車(資本主義)に石炭をせっせとつぎ込むことしか考えてない、ということが何となく分かってきて、じゃあ普通の市民はどう生きればいいのかな、と思っていたところで、この「負債論 貨幣と暴力の5000年」を見つけました。

 

 資本論は人を支配する側のお話だけど、負債論は支配される側から見上げた金融の歴史のお話で、これこそ私が読むべき本だな!と思ったのでした。しかも5000年の歴史が書いてあるので、今という時代が歴史の中でどんな位置にいるのかも、見渡すことができるかもしれないし。


 この本を書いたのは経済学者ではなく、人類学者です。経済学では、実際の取引の発展の歴史を無視して架空の前提(「取引は等価交換から始まった」)の上に理論を作ったところがあるそうで、「古代」の章では地方部族のフィールド研究などをもとに、真実の取引の文化を解き明かしていきます。それが痛快で新鮮なのと、古代の取引のありようは日本の儀礼文化に似ていて、良くも悪くも「なるほど〜」と思ったのでした。


 この本の命題は、「負債は本当に返すべき義務があるのか」です。生まれた時から親の負債を負わされている子、知識のなさに付け込まれて負債を負わされる社会弱者、価値あるモノとして家から家へ取引され、男の所有物として従属しなければいならない女性、戦争に負けたという理由で奴隷労働を義務付けられる捕虜など。負債を返さなければいけないと義理堅く思う人ほど、どんどん負債を大きくしていく。


 もちろん返すべき負債もあるのですが、支配する側から一方的に押し付けられ、負債だと思い込んでいるものもあるのではないか、という考え方は、結構しがらみだらけの生活を整理するときに役立つな、と思いました。


 古代では貸し借りをすることが人間関係をつなぐ(支配する)行為として発展していったそうなので、貸し借りの多さとしがらみの多さが関係しているのは当然なんだな、と思ったり。

 

 いま負債をもっている人すべてが、自分の負債の本質に気づくために、この本を読んだらよいと思います。人はどんな人も生きる権利があるので、その権利を奪われるほどの債務を負わされるのは人権侵害で不当なことだ、という基本的なルールをしっかり守って(守らせて)いれば、貸し借りの問題が行き過ぎて人を殺したり奴隷状態になることはかなり防げそうだ、というのが私なりの理解でした。


 ちなみに、重い負債の行きつく先は、自分の体を奴隷として売ること(他人の所有物となり、所有者が自由に働かせ、凌辱し、殺してもよい存在となること)のようです。日本の憲法第18条では「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」と定めていますが、自民党の憲法改正案では削除されています。古来、奴隷となる典型的な人は戦争で負けた捕虜や、犯罪者、女性、子供です。このことの意味を考えてみるいい機会にもなるかもしれません。
 


コラム:在外邦人と遺産分割

 海外に住んでいる人は、親族が亡くなって遺産分割が必要になるとき、話し合いの場に行けないので不安が多いのではないかと思います。

 

 私がアメリカにいたとき受けた相談は、「突然、日本の遠い親戚から「相続放棄の同意書」が送られてきて「署名して送り返してほしい」と言われたけれど、応じるべきでしょうか」というものでした。

 

 その時どう答えたか忘れましたが、今なら「相続財産がどれだけあるのか、財産をすべて金銭に換算した場合に自分が法定相続でもらえる金額はどれだけの見込みなのか、どんな事情で自分に放棄を求めているのか、などを聞いてから放棄しても遅くないですよ。現時点で財産の全容が分からないと言われたら、放棄せず話し合いに参加することもできます」と答えるでしょう。

 

   □   ■

 

 遺言なしで誰かが亡くなったら、残された相続人全員が合意して分割方法を決めなければ、財産の処分(亡くなった人の不動産の名義変更や預金の解約)ができません。海外に住んでいて話し合いに行けなくても、知らない間に勝手に遺産分割されてしまうことはなく、完成した「遺産分割協議書」に全員の実印(海外在住者なら署名)を押さなければ、遺産分割は完成しないのです。

 

 親族が裁判所に申し立てて遺産分割調停をしていたら、事情は少し変わります。もし海外にいる人が親族と音信不通にしていたら、行方不明者として扱われ、裁判所が代理人となる「不在者財産管理人」を選任し、その人が本人の代わりに協議に参加し、話し合いを進めることもあります。このときには、不在者財産管理人(弁護士等がなることが多い)は本人(不在者)の利益を守るために働くので、遺産分割の面では心配はないと思います。ただ、管理人の報酬は、不在者の相続財産から支払われることになります。

「不在者財産管理人」(裁判所サイトより)

http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_05/

 

 遺産分割協議には行けないけれど関わっていたい場合には、「自分はここにいて相続を受ける意思がある」ということを、親族なり裁判所なりに手紙などで意思表示して、書面や電話でやりとりをできるようにしておきます。そうすれば、当事者も裁判所も海外にいる相続人を無視して遺産分割することはできません。

 

 裁判所で遺産分割調停を進めていて、みんなの意見がまとまらず不成立になった場合には、今度は裁判所が「審判」(裁判と似たもの)によって強制的に遺産分割方法を決めてしまいます。この場合は原則として法定相続分に沿った分割となります。

 

 ですから、海外にいる人が直接話し合いの場に行けないからといって、いつまでも財産が分割できなくて困る、とか不在者に不利な分割がなされる、ということはなく、少なくとも親族が裁判所の制度を使って遺産分割協議を進めれば、それなりに法律に沿った結果で分割できるようになっています。

 

   □   ■

 

 では、相続放棄をしたらどうなるか、ですが、相続放棄するとその人は「最初から相続人としていなかった」とみなされ、残りの人で遺産を分割します。だから、例えば相続人が母親と子3人だった場合、子の法定相続分は各自が6分の1です。ですが子が1人相続放棄すれば、残された子供は最初から2人だったとみなされるので、子の法定相続分は各自が4分の1に増えることになります。

 

 相続放棄は、財産を持っていた人(被相続人)が亡くなったことを知った日から3か月以内に「相続放棄の申述」をすることで、裁判所からその効力が認められます。

 

「相続放棄の申述」(裁判所サイトより)

http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/

 

 相続放棄はしないで、一応は遺産分割の話し合いに参加して、全体の財産が明らかになってから「私は財産はいらない」とか「私の相続権は兄弟の〇〇に譲る」といった意思表明をすることもできます。ただ、残された財産が負債である場合は「だれが借金を払うか」ということになりますから、その場で話し合いから抜けることは難しいかもしれません。一般的には、預金や土地といった財産より借金の方が多そうな場合は、相続放棄する人が多いです。

 

「遺産分割調停」(裁判所サイトより)

http://www.courts.go.jp/nagoya-f/saiban/tetuzuki/isan/riyou.html

 

    □   ■

 

 複雑な問題や親族関係があって全体の話し合いの様子が分からないと判断できない、という場合は、日本の弁護士を代理人としてたてることもできます。

 

 最近、家庭裁判所では「電話会議・テレビ会議システム」を導入したので、遠隔地から調停に参加することもできます。代理人の弁護士もよくこれを利用していますので、交通費がかさむという悩みは減りました。ただ、本人が海外から参加できるかどうかは、裁判所に問い合わせてみなければわかりません。法律では「海外からの利用は不可能」と書かれているわけではないですが、実質的には現在「本人が電話会議を利用する場合は最寄りの裁判所に行って電話を受ける」か「弁護士が代理人となっている場合は、弁護士が弁護士事務所で電話を受ける」形で電話会議を行う運用となっているので、やはり海外に住んでいる人は、日本の弁護士に頼むしかないのかもしれません。

 

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◆家事事件手続法◆

(音声の送受信による通話の方法による手続)

第54条  家庭裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、家事審判の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うことができる。

 

(家事審判の手続の規定の準用等)

第258条  第41条から第43条までの規定は家事調停の手続における参加及び排除について、第44条の規定は家事調停の手続における受継について、第51条から第55条までの規定は家事調停の手続の期日について、第56条から第62条まで及び第64条の規定は家事調停の手続における事実の調査及び証拠調べについて、第65条の規定は家事調停の手続における子の意思の把握等について、第73条、第74条、第76条(第一項ただし書を除く。)、第77条及び第79条の規定は家事調停に関する審判について、第81条の規定は家事調停に関する審判以外の裁判について準用する。

 

◆家事事件手続規則◆

(音声の送受信による通話の方法による手続・法第54条関係)
第42条 家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって家事審判の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うときは、家庭裁判所又は受命裁判官は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。

2 前項の手続を行ったときは、その旨及び通話先の電話番号を家事審判事件の記録上明らかにしなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を明らかにすることができる。

 

テレビ会議システム利用希望申出書(例) ※裁判所によって申出方法、可否の基準は異なります

http://www.courts.go.jp/asahikawa/vcms_lf/12denwakaigishisutemuriyoukiboumoushidesyo.pdf#search=%27%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80+%E9%9B%BB%E8%A9%B1%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0+%E6%89%8B%E5%BC%95%E3%81%8D%27


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