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裁判待たずに強制退去

 12月28日付朝日新聞によると、退去強制手続きの差し止めを求めて訴訟していた中国籍女性に対し、東京入国管理局は裁判所の判決が出る前に強制的に帰国させていたことが明らかにになりました。東京地裁は「司法の判断を待たずに違法な手続きが強行されたことは遺憾だ」と同管理局の対応を批判したそうです。

 女性は2004年から大学生として通学し、2006年に都内のエステ店で働いていたところを摘発されました。女性は週に28時間労働できる許可を受けていましたが、同規定を超えて労働していたとして入国管理局が退去強制手続きに入ろうとしたため、提訴して入国管理局が女性に出していた収容命令を差し止めるよう求めていました。

 12月28日に出た判決では、女性の勤務時間には報酬のない待機時間が多いため、実質的な労働時間が28時間に収まっていたと結論付け、大学の出席率も100%だったことなどから、就労活動が留学の支障になっておらず、帰国させられる理由はないとの判断を示しました。

 ところが女性は、11月16日付で入国管理局から退去強制命令を受け、11月22日には帰国させられていました。

   ◎ ◎

 裁判所も入国管理局も、法務省の管轄する組織です。同じ組織内でも、こんなことが起こるんですね。これは入国管理局が外国人に対しては、裁判所とは規範の異なる「大きな権限」を持っているということの表れだと思います。

 国籍を問わず人権を守ろうというのが裁判所の法理念ですが、入国管理局は「外国人を日本にいさせるかどうかについての判断は、国益優先の措置をしても違法ではない」という考え方を持っています。

 裁判所の処分は司法処分、入管の処分は行政処分です。問題は、どちらの処分がより上位にあるのか、という点にあります。裁判所が「違法な手続きが強行されたのは遺憾」と言っているので、裁判所の判断の方が勝る、と裁判所は主張しているわけですね。

 こういうとき、裁判所はただ「残念だ」と入管に言い放つだけで終わるのでしょうか。違法措置に対する強制的な制裁とかは、ないんでしょうか。それが気になるところです。

   ◇

 12月(がつ)28日(にち)付(づけ)朝日新聞(あさひしんぶん)によると、退去(たいきょ)強制(きょうせい)手続き(てつずき)の差し止め(さしとめ)を求め(もとめ)て訴訟(そしょう)していた中国籍(ちゅうごくせき)女性(じょせい)に対し(たいし)、東京(とうきょう)入国(にゅうこく)管理(かんり)局(きょく)は裁判所(さいばんしょ)の判決(はんけつ)が出る(でる)前(まえ)に強制的に(きょうせいてきに)帰国(きこく)させていたことが明らか(あきらか)にになりました。東京(とうきょう)地裁(ちさい)は「司法(しほう)の判断(はんだん)を待た(また)ずに違法(いほう)な手続き(てつずき)が強行(きょうこう)されたことは遺憾だ(いかんだ)」と同(どう)管理(かんり)局(きょく)の対応(たいおう)を批判(ひはん)したそうです。

 女性(じょせい)は2004年(ねん)から大学生(だいがくせい)として通学(つうがく)し、2006年(ねん)に都内(とない)のエステ店(てん)で働い(はたらい)ていたところを摘発(てきはつ)されました。女性(じょせい)は週(しゅう)に28時(じ)間(かん)労働(ろうどう)できる許可(きょか)を受け(うけ)ていましたが、同(どう)規定(きてい)を超え(こえ)て労働(ろうどう)していたとして入国(にゅうこく)管理(かんり)局(きょく)が退去(たいきょ)強制(きょうせい)手続き(てつずき)に入ろ(はいろ)うとしたため、提訴(ていそ)して入国(にゅうこく)管理(かんり)局(きょく)が女性(じょせい)に出し(だし)ていた収容(しゅうよう)命令(めいれい)を差し止める(さしとめる)よう求め(もとめ)ていました。

 12月(がつ)28日(にち)に出(で)た判決(はんけつ)では、女性(じょせい)の勤務(きんむ)時間(じかん)には報酬(ほうしゅう)のない待機(たいき)時間(じかん)が多い(おおい)ため、実質的な(じっしつてきな)労働(ろうどう)時間(じかん)が28時(じ)間(かん)に収まっ(おさまっ)ていたと結論付け(けつろんづけ)、大学(だいがく)の出席(しゅっせき)率(りつ)も100%だったことなどから、就労(しゅうろう)活動(かつどう)が留学(りゅうがく)の支障(ししょう)になっておらず、帰国(きこく)させられる理由(りゆう)はないとの判断(はんだん)を示し(しめし)ました。 

 ところが女性(じょせい)は、11月(がつ)16日(にち)付(づけ)で退去(たいきょ)強制(きょうせい)命令(めいれい)を受け(うけ)、11月(がつ)22日(にち)には帰国(きこく)させられていました。

   ◎  ◎

 裁判所(さいばんしょ)も入国(にゅうこく)管理(かんり)局(きょく)も、法務省(ほうむしょう)の管轄(かんかつ)する組織(そしき)です。同じ(おなじ)組織内(そしきない)でも、こんなことが起こる(おこる)んですね。これは入国(にゅうこく)管理(かんり)局(きょく)が外国人(がいこくじん)に対し(たいし)ては、裁判所(さいばんしょ)とは規範(きはん)の異なる(ことなる)「大き(おおき)な権限(けんげん)」を持っ(もっ)ているということの表れ(あらわれ)だと思い(おもい)ます。

 国籍(こくせき)を問わ(とわ)ず人権(じんけん)を守ろ(まもろ)うというのが裁判所(さいばんしょ)の法理(ほうり)念(ねん)ですが、入国(にゅうこく)管理(かんり)局(きょく)は「外国人(がいこくじん)を日本(にほん)にいさせるかどうかについての判断(はんだん)は、国益(こくえき)優先(ゆうせん)の措置(そち)をしても違法(いほう)ではない」という考え方(かんがえかた)を持っ(もっ)ています。

 裁判所(さいばんしょ)の処分(しょぶん)は司法(しほう)処分(しょぶん)、入管(にゅうかん)の処分(しょぶん)は行政処分(ぎょうせいしょぶん)です。問題(もんだい)は、どちらの処分(しょぶん)がより上位(じょうい)にあるのか、という点(てん)にあります。裁判所(さいばんしょ)が「違法(いほう)な手続き(てつずき)が強行(きょうこう)されたのは遺憾(いかん)」と言っ(いっ)ているので、裁判所(さいばんしょ)の判断(はんだん)の方(ほう)が勝る(まさる)、と裁判所(さいばんしょ)は主張(しゅちょう)しているわけですね。

 こういうとき、裁判所(さいばんしょ)はただ「残念だ(ざんねんだ)」と入管(にゅうかん)に言い放つ(いいはなつ)だけで終わる(おわる)のでしょうか。違法(いほう)措置(そち)をした入管(にゅうかん)に対する(たいする)強制的な(きょうせいてきな)制裁(せいさい)とかは、ないんでしょうか。それが気になる(きになる)ところです。

研修・技能実習生の新しい管理指針

 入国管理局は12月26日、「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針(平成19年改訂)」を発表しました。
http://www.immi-moj.go.jp/hourei/shishin_h19.html

 新しい指針は、研修・技能実習制度で強制預金、違法残業などの労働・人権にかかわる問題が多いと批判されていることから、制度の管理体制を見直すために行われました。

 私から見ると、大きな特徴は、

“海垢詆塰々坩戮鯲犒寝修靴凸世蕕にしたこと

通帳を預かったり、外出を禁止するなど受け入れ団体の過剰な管理の例を明記し、自粛や禁止を求めたこと

8修生らから高額の保証金などを取っている外国の送り出し機関の例を明記し、このような機関との提携を控えるよう呼び掛けたこと

です。あとは、すでにある規則を守るようお座なりに呼びかけるのではなく、実際に厳しくチェックもしていきますよ、と言っています。

この指針ができる前に、多くの人が意見を寄せ、回答がなされました。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?ANKEN_TYPE=3&CLASSNAME=Pcm1090&KID=300130019&OBJCD=&GROUP

規制改革会議・答申で研修生保護を盛り込む


内閣府の発表で、規制改革推進のための第2次答申が出ました。(平成19年12月25日)
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/index.html#secondreport

 外国人関係では、外国人研修・技能実習生制度について、不正がなくなるよう規制を厳しくすることと、母国語ホットラインを設置するなど研修生・実習生の保護対策を取ることが提案されています。外国人当事者への保護対策が取り上げられたのは、とても意義のあることだと思います。

以下は、答申概要から抜粋しています。


外国人研修・技能実習制度の見直し


○研修生・技能実習生が母国語で率直に相談できるよう「外国人研修生・技能実習生ホットライン(仮称)」を開設・周知徹底。受入れ機関が不正行為認定を受け研修・実習が出来なくなった場合の保護を措置。【平成20年措置】

○受入れ機関の適正化のため、「不正行為」の範囲を明確化して公表。また、悪質な受入れ機関に対する取締り並びに巡回指導を強化。【平成19年度措置】

○外交ルート等を通じ、送出し国政府に対して、送出し機関の適正な認定基準の設定、保証金搾取等の実態把握等、送出し機関の適正化を要請。【平成19年度以降継続実施】

○実務研修中の研修生が労働法上の保護が受けられるように、原則として、労働基準法や最低賃金法等の労働関係法令の適用につき、在留資格「研修」の見直しとともに措置。
【遅くとも技能実習生に係る在留資格の整備に関する関係法令の施行までに措置】

かんたん日本語(にほんご)・カールさんの教(おし)え

ダニエルカール



 先週、多文化共生の講演会で、アメリカ・カリフォルニア州出身タレントのダニエル・カールさんが来ました。カールさんといえば、山形弁。山形弁で面白おかしく、外国人とのおつきあいのコツを教えてくださいました。

 カールさんが私たち日本人にお願いしていたのは、外国人に対して「分かりやすい日本語」を話すことでした。外国人が困ってしまう難しい日本語としては、次のものがあるそうです。

・主語がない会話。
・「あれ」という表現。「今日はあれだから」「あれ、頼むよ」など
・比ゆ表現。「腹が立つ」「顔が広い」などは、意味を言い換えてあげるとよい。
・家族を卑下する謙遜。「愚妻」「宿六」「ばか息子」などと言われると、とても戸惑う。

 それにしてもカールさん、年を取ったなあ。

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 先週(せんしゅう、多文化共生(たぶんかきょうせい)の講演会(こうえんかい)で、アメリカ・カリフォルニア州(しゅう)出身(しゅっしん)タレントのダニエル・カールさんが来(き)ました。カールさんといえば、山形弁(やまがたべん)。山形弁(やまがたべん)で面白(おもしろ)おかしく、外国人(がいこくじん)とのおつきあいのコツを教(おし)えてくださいました。

 カールさんが私(わたし)たち日本人(にほんじん)にお願(ねが)いしていたのは、外国人(がいこくじん)に対(たい)して「分(わ)かりやすい日本語(にほんご)」を話(はな)すことでした。外国人(がいこくじん)が困(こま)ってしまう難(むずか)しい日本語(にほんご)としては、次(つぎ)のものがあるそうです。

・主語(しゅご)がない会話(かいわ)。
・「あれ」という表現(ひょうげん)。「今日(きょう)はあれだから」「あれ、頼(たの)むよ」など
・比(ひ)ゆ表現(ひょうげん)。「腹(はら)が立(た)つ」「顔(かお)が広(ひろ)い」などは、意味(いみ)を言(い)い換(か)えてあげるとよい。
・家族(かぞく)を卑下(ひげ)する謙遜(けんそん)。「愚妻(ぐさい)」「宿六(やどろく)」「ばか息子(むすこ)」などと言(い)われると、とても戸惑(とまど)う。

 それにしてもカールさん、年(とし)を取(と)ったなあ。

外国人(がいこくじん)に夫婦別居(ふうふべっきょ)の自由(じゆう)なし

 別居していた外国籍の妻に遺族厚生年金が支払われないのは不当な差別だとして、岡山市に住む韓国籍の妻が12月17日、国の不支給処分取り消しを求める訴えを岡山地裁に起こしました。

 18日付山陽新聞によると、妻はDV(ドメスティックバイオレンス)が原因で1998年から夫と別居していました。そして夫が亡くなったため、2006年10月に遺族厚生年金の裁定を受けていました。ところが岡山西社会保険事務所は2007年2月に、別居している妻が夫の収入で生計を維持していたとは認められないとして裁定を取り消したのです。

   ◇

 この場合、どこが差別なのでしょうか。

 この妻は、別居していたことを理由に受給の裁定を取り消されました。でもこの人は「日本人の中には、別居しながら受給している人がいるではないか」と訴えているのです。

 どうも日本人は、別居していながら住民票だけは夫と同じ住所にしておくことで、かろうじて裁定を受けることができるようなのです。

 じゃあ外国人妻も、外国人登録の住所を夫と同じにしておけば良かったのに、といいたいところです。でも外国人は、5年ごとに外国人登録証を更新しなければいけません。日本人より管理が厳しいため、日本人のように登録した住所が事実と違うままで放置できないのです。

 書類の証拠(住民票と外国人登録)だけを見れば、役所の対応は正しかったことになるでしょう。問題は、日本人向けのの緩い住民登録制度に比べ、外国人の登録制度が厳しいということ。そのことが回り回って差別状態を生んだということでしょう。

   ◇

 外国人の結婚生活は、日本人より厳しいものです。日本人の配偶者という在留資格で住んでいる外国人は、日本人と別居できません。別居すると「結婚状態が破たんしている」とみなされ、入国管理局で在留資格を更新してもらえないからです。

 「家を出るなら入管に告げ口するぞ」と日本人パートナーに脅された、という外国人の話はよく聞きます。実際、よく入管へ告げ口電話がかかってくるようです。

 いろいろな管理の厳しさが、小さな問題を大きくして、外国人当事者を窮地に追い込んでしまう。これが外国人にとっての異国での「住みにくさ」なのだと思います。

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 別居(べっきょ)していた外(がい)国籍(こくせき)の妻(つま)に遺族(いぞく)厚生年金(こうせいねんきん)が支払わ(しはらわ)れないのは不当な(ふとうな)差別(さべつ)だとして、岡山市(おかやまし)に住む(すむ)韓国(かんこく)籍(せき)の妻(つま)が12月(がつ)17日(にち)、国(くに)の不(ふ)支給(しきゅう)処分(しょぶん)取り消し(とりけし)を求める(もとめる)訴え(うったえ)を岡山(おかやま)地裁(ちさい)に起こし(おこし)ました。

 18日(にち)付(づけ)山陽(さんよう)新聞(しんぶん)によると、妻(つま)はDV(ドメスティックバイオレンス)が原因(げんいん)で1998年(ねん)から夫(おっと)と別居(べっきょ)していました。そして夫(おっと)が亡くなっ(なくなっ)たため、2006年(ねん)10月(がつ)に遺族(いぞく)厚生年金(こうせいねんきん)の裁定(さいてい)を受け(うけ)ていました。ところが岡山(おかやま)西(にし)社会保険(しゃかいほけん)事務所(じむしょ)は2007年(ねん)2月(がつ)に、別居(べっきょ)している妻(つま)が夫(おっと)の収入(しゅうにゅう)で生計(せいけい)を維持(いじ)していたとは認め(みとめ)られないとして裁定(さいてい)を取り消し(とりけし)たのです。

   ◇

 この場合(ばあい)、どこが差別(さべつ)なのでしょうか。

 この妻(つま)は、別居(べっきょ)していたことを理由(りゆう)に受給(じゅきゅう)の裁定(さいてい)を取り消さ(とりけさ)れました。でもこの人(このひと)は「日本人(にほんじん)の中(なか)には、別居(べっきょ)しながら受給(じゅきゅう)している人(ひと)がいるではないか」と訴え(うったえ)ているのです。

 どうも日本人(にほんじん)は、別居(べっきょ)していながら住民票(じゅうみんひょう)だけは夫(おっと)と同じ(おなじ)住所(じゅうしょ)にしておくことで、かろうじて裁定(さいてい)を受ける(うける)ことができるようなのです。

 じゃあ外国人(がいこくじん)妻(づま)も、外国人(がいこくじん)登録(とうろく)の住所(じゅうしょ)を夫(おっと)と同じに(おなじに)しておけば良かっ(よかっ)たのに、といいたいところです。でも外国人(がいこくじん)は、5年(ねん)ごとに外国人(がいこくじん)登録(とうろく)証(しょう)を更新(こうしん)しなければいけません。日本人(にほんじん)より管理(かんり)が厳しい(きびしい)ため、日本人(にほんじん)のように登録(とうろく)した住所(じゅうしょ)が事実(じじつ)と違う(ちがう)ままで放置(ほうち)できないのです。

 書類(しょるい)の証拠(しょうこ)(住民票(じゅうみんひょう)と外国人(がいこくじん)登録(とうろく))だけを見れ(みれ)ば、政府(せいふ)の対応(たいおう)は正しかっ(ただしかっ)たことになるでしょう。問題(もんだい)は、日本人(にほんじん)向け(むけ)のの緩い(ゆるい)住民登録(じゅうみんとうろく)制度(せいど)に比べ(くらべ)、外国人(がいこくじん)の登録(とうろく)制度(せいど)が厳しい(きびしい)ということ。そのことが回り回っ(まわりまわっ)て差別(さべつ)状態(じょうたい)を生ん(うん)だということでしょう。

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 外国人(がいこくじん)の結婚(けっこん)生活(せいかつ)は、日本人(にほんじん)より厳しい(きびしい)ものです。日本人(にほんじん)の配偶者(はいぐうしゃ)という在留(ざいりゅう)資格(しかく)で住ん(すん)でいる外国人(がいこくじん)は、日本人(にほんじん)と別居(べっきょ)できません。別居(べっきょ)すると「結婚(けっこん)状態(じょうたい)が破たん(はたん)している」とみなされ、入国(にゅうこく)管理(かんり)局(きょく)で在留(ざいりゅう)資格(しかく)を更新(こうしん)してもらえないからです。

 「家(いえ)を出る(でる)なら入管(にゅうかん)に告げ口(つげぐち)するぞ」と日本人(にほんじん)パートナーに脅さ(おどさ)れた、という外国人(がいこくじん)の話(はなし)はよく聞き(きき)ます。実際(じっさい)、よく入管(にゅうかん)へ告げ口(つげぐち)電話(でんわ)がかかってくるようです。

 いろいろな管理(かんり)の厳し(きびし)さが、小さ(ちいさ)な問題(もんだい)を大きく(おおきく)して、外国人(がいこくじん)当事者(とうじしゃ)を窮地(きゅうち)に追い込ん(おいこん)でしまう。これが外国人(がいこくじん)にとっての異国(いこく)での「住み(すみ)にくさ」なのだと思い(おもい)ます。

フィリピン人看護師・介護福祉士候補の受け入れ

 日比経済連携協定に基づくフィリピン人看護師・介護福祉士候補者の受け入れが2008年度から始まります。この施策は、「日本が将来、海外の労働者へ門戸を開くのかどうか」を占う試みとして注目を集めています。

 「人手不足の解消のために外国人を入れることはしない」というのが日本政府の方針ですが、実際には人手不足を補う必要があります。そこで政府は「外国人研修生・技能実習制度」を生みだしました。これは計3年間だけ「研修と技能実習」という名目で製造・加工業者などが外国人を受け入れるというものです。労働対価が日本人労働者の半分程度で、かなり強制力の強い労働であるため、人権団体等から批判されています。

 そこで「適正な能力を持つ人であれば、研修後にも正式に労働者として受け入れることにしよう」と少し方針を変えたのが、今回の施策です。

 施策では、フィリピンの看護師(3年の実務経験も持つ人)と介護福祉士を対象にして、日本入国から3〜4年の間に日本の国家資格が取れたら、労働者として引き続き滞在を許可するという流れです。在留資格は「特定活動」となり、資格が取れるまでの3〜4年の間は病院で就労・研修することができます。

 2年間でフィリピンから看護師志望者400人、介護福祉士志望者600人の合計1000人を上限として受け入れます。資格が取れなかった人は、帰国しなければいけません。


厚生労働省の解説ページ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/other07/index.html


    □

 この施策、私にはとても「労働者をこれから広く受け入れよう」という試みには思えません。どちらかというと、「フィリピンとの協定があるし、財界からの要望があるから、仕方なく労働者受け入れ促進施策をやってみました。でも本当は受け入れたくないんです」という相反する思いを反映した、すごく入り組んだシステムになっているように思います。つまり、この「白か黒か分からない」労働施策のもと、また新しいタイプの「外国人研修生」が生まれるのかなーと思います。

    □ 


 この問題に対する衆議院での国会答弁を掲載しておきます。

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平成十九年十月九日提出
質問第九九号

外国人介護士受入れ及び介護福祉士制度に関する質問と答弁


内閣衆質一六八第九九号
平成十九年十月十九日
質問提出者 山井和則
答弁者   内閣総理大臣 福田康夫




外国人介護士受入れ及び介護福祉士制度に関する質問主意書


(外国人介護士受入れについて)
◆一 前回答弁書(内閣衆質一六八第四四号)では、外国人介護福祉士候補者の受入れについて「円滑かつ適正な受入れを行うことができるかどうか」等を考慮するとあるが、「円滑かつ適正な受入れ」とはどういうことを指すのか。

(答弁)
 先の答弁書(平成十九年十月二日内閣衆質一六八第四四号。以下「前回答弁書」という。)四についてでお答えした「円滑かつ適正な受入れ」とは、経済連携協定に基づく外国人介護福祉士候補者の受入れの要件や趣旨に沿った形であって、かつ、外国人介護福祉士候補者の募集及び選考、雇用契約の締結、受入れ施設における就労及び研修などの一連の過程において支障を生じさせないような受入れを指すものである。

◆二 一において受け入れた外国人介護福祉士候補者を巡回指導する者は何人で、どれくらいの頻度で巡回指導するつもりか。

(答弁)
 厚生労働省としては、少なくとも年に一回、外国人介護福祉士候補者の受入れ施設に対する巡回指導を受入れ調整機関となる予定の社団法人国際厚生事業団(以下「事業団」という。)に委託して実施することとしているが、巡回指導に従事する者を何人とするかについては、現時点では未定である。

◆三 受け入れた外国人介護福祉士候補者は、介護施設の人員配置基準に定められた人員数には含まないが、それを実際どのように確認するつもりか。


(答弁)
 昨年署名した経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定においては、フィリピン人介護福祉士候補者に対する入国及び一時的な滞在の許可の要件として、一定の条件を満たす介護施設においてその者の研修が行われるものであること等が規定されている。

 厚生労働省としては、当該一定の条件として、当該フィリピン人介護福祉士候補者を除く介護職員の数が、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)等に基づく職員等の配置の基準を満たすことを定めることとしており、その要件の遵守状況について、年に一回、当該介護施設の設置者に対し、事業団を通じて介護職員の配置状況の報告を求めることにより確認することとしている。

◆四 日フィリピン経済連携協定に基づく介護福祉士候補者受入れ人数の上限を「六〇〇人」とした根拠は何か。

(答弁)
 フィリピン人介護福祉士候補者の受入れ人数の上限については、フィリピン人介護福祉士候補者の円滑かつ適正な受入れを行うことができるかどうか、我が国の労働市場に悪影響を及ぼさないかどうかといった点等を考慮して設定したものである。


◆五 前回答弁書(内閣衆質一六八第四四号)では、「介護福祉士の経済連携協定による受入れについては、今後とも、特例的な受入れとしての位置付けを損なわず、また、我が国の労働市場に悪影響が及ばない範囲内で対応することとしている」とある。

   峅罎国の労働市場」とは、どういう職種で、どれだけの人口がある労働市場を指すのか。

(答弁)
 お尋ねの「我が国の労働市場」とは、直接的には、入所及び通所施設で就労する介護職員に係る労働市場を指すものであり、当該介護職員の数は平成十七年十月現在で約七十七万人である。

 ◆ 岼影響」とはどういったことを指すのか。
(答弁)
 御指摘の「悪影響」とは、外国人介護福祉士候補者の我が国への受入れによる日本人介護職員の雇用機会の減少等を指すものである。

  「悪影響」を及ぼしていることをいつ、誰が判断するのか。
 ぁ,△蕕じめ、どのような影響を及ぼすのか国は予測しないのか。

(答弁)
 今後、仮に外国人介護福祉士候補者の受入れを含む経済連携協定をフィリピン及びインドネシア以外の国と締結する場合には、同協定に基づく受入れが開始されるまでの過程において、当該受入れが我が国の労働市場に悪影響を及ぼすものかどうかについて、政府として判断していくものである。

 ァ 岼影響が及ばない範囲」とあるが、それは何人以上受け入れれば悪影響を及ぼすと現在国は考えているのか。

(答弁)
 経済連携協定に基づき受け入れた外国人介護福祉士候補者のうちどの程度の者が我が国の介護福祉士資格を取得して我が国で就労を継続するかといった点の予測が困難であり、また、時々の我が国の労働市場の状況にもよるため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

◆六 前回答弁書(内閣衆質一六八第四四号)では、「経済連携協定に基づく介護福祉士の資格取得を目的とした外国人の受入れに当たっては、円滑かつ適正な受入れが行われるよう、その趣旨や仕組みについて国民への周知を図ってまいりたい」とあるが、趣旨や仕組みについて国民への周知をするにもかかわらず、実際の受入れ施設がどこなのか周知されないのはなぜか。


(答弁)
 経済連携協定に基づく外国人介護福祉士候補者の受入れの趣旨や仕組みについては、適正な受入れを行う観点から、十分に周知する必要があるが、三についてで述べたとおり、外国人介護福祉士候補者については外国人介護福祉士候補者の受入れ施設の介護職員の数に算定できないこととすることから、当該受入れ施設のサービスとそれ以外の介護施設のサービスとの間に差異は生じないと考えられ、御指摘のような周知を行う必要は必ずしもないものと考える。


(准介護福祉士について)
◆七 前回答弁書(内閣衆質一六八第四四号)では、准介護福祉士について「介護福祉士となるため介護等に関する知識及び技能の向上に努めなければならない旨を規定し、介護福祉士の資格を取得する途中段階の資格としての位置付けを明確にするとともに、介護福祉士養成施設における教育課程についても拡充することとしている。これらの点を踏まえると、改正法案において准介護福祉士の制度を導入することが、介護福祉士の質を低下させることにはならないと考える」とある。

   崚喘翆奮の資格」というのは厚生労働省が所管する他の国家資格で存在するのか。

(答弁)
 御指摘の「途中段階の資格」という表現は、准介護福祉士は拡充された教育課程を修了して資格を得ているが、最終的には介護福祉士を目指していくものであるという趣旨で用いたものであり、厚生労働省が所管する他の国家資格制度においては、このような意味での「途中段階の資格」は存在しない。

 ◆ゞ軌蕾歡を拡充した結果、介護福祉士国家試験に落ちた者について「介護等に関する知識及び技能の向上に努めなければならない旨を規定」すれば「介護福祉士の質を低下させることにはならない」とする根拠は何か。

(答弁)
 准介護福祉士については、現行より拡充された教育課程を修了していることが資格取得の要件となるものであること、また、御指摘の規定を置くことにより、准介護福祉士が介護福祉士の資格を取得するため介護等に関する知識及び技能の向上に努めることが期待されることから、御指摘の答弁を行ったものである。

(実務経験ルートについて)
八 前回答弁書(内閣衆質一六八第四四号)では、「現在、三年以上の実務経験により介護福祉士の受験資格が付与されるが、実務経験のみでは利用者の状況に応じて必要な介護を考える思考プロセスや利用者等への説明能力等について制度的・理論的面での十分な教育を受ける機会に欠けているとの指摘もあったことから、改正法案による介護福祉士の資格の取得方法の見直しにおいては、介護福祉士の受験資格については三年以上の実務経験に加え、養成施設における介護福祉士として必要な知識及び技能の修得を要することとし、その修得に必要な理論的・体系的な学習を行うためには六か月以上の教育課程が必要であると考えたもの」とある。

   崋駄碍亳海里澆任詫用者の状況に応じて必要な介護を考える思考プロセスや利用者等への説明能力等について制度的・理論的面での十分な教育を受ける機会に欠けているとの指摘」はいつ、誰がした指摘なのか。

(答弁)
 御指摘のような「指摘」については、平成十八年一月三十一日及び同年三月十六日に開催された厚生労働省の「介護福祉士のあり方及びその養成プロセスの見直し等に関する検討会」において、同検討会の委員が行っている。

 ◆ 崋駄碍亳海里澆任詫用者の状況に応じて必要な介護を考える思考プロセスや利用者等への説明能力等について制度的・理論的面での十分な教育を受ける機会に欠けている」と指摘された根拠は何か。他の養成ルートから介護福祉士になった者との明確な違いはあるのかお示しいただきたい。

(答弁)
 現在、介護福祉士の養成施設においては、介護保険法に基づく居宅サービス計画及び施設サービス計画に関する援助技術、介護技術に関するコミュニケーションの技法等について教育を行うこととされているが、三年以上の介護等の実務経験を経て介護福祉士試験に合格した者には、こうした介護に関する理論的・体系的な教育課程を履修することが義務付けられていないところである。厚生労働省としては、八の,砲弔い討能劼戮唇儖の指摘は、このようなことを踏まえてのものであったと理解している。
また、もう一つの養成課程である介護福祉士の養成を行う高等学校及び中等教育学校を通じた養成課程においても、介護に関する理論的・体系的な教育課程の一環として社会福祉制度や社会福祉援助技術等の教育を行っているが、介護福祉士の資質の向上を図っていくため、改正後の資格取得方法について、養成施設における教育課程と同等の水準となるよう現行の教育課程の内容を拡充することとしている。

  「その修得に必要な理論的・体系的な学習を行うためには六か月以上の教育課程が必要」とあるが、なぜ「六か月以上」なのか。

(答弁)
 介護福祉士の養成課程においては、介護保険制度等に関する知識、利用者の権利擁護に関する知識、認知症等の多様な利用者に対する介護の提供において必要となる医学的な知識など、実務経験だけでは修得が困難な知識及び技能について、理論的・体系的に学習することとしており、そのために最低限必要な期間として、六か月としたものである。

(その他)
◆九 これまで通信課程を受講することによって介護福祉士になることができたが、社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案でできなくなった理由は何か。

(答弁)
 現在、高等学校及び中等教育学校においては、介護福祉士の資格を取得するための通信制の課程が認められているが、認知症の者に対する介護の需要の増加など、近年の介護サービスに対する国民のニーズの多様化・高度化に対応し、介護福祉士の資質の向上を図っていくためには、介護福祉士試験の受験者が履修すべき教育課程の内容を拡充・平準化するとともに、介護実習について十分な教育時間数と実効性のある教育体制を確保する必要があるとの観点から、改正後の介護福祉士の資格の取得方法においては通信制の課程を認めない方向で検討を行っているところである。

◆十 九において、離島や僻地など、養成施設からほど遠い地域に住む者にとって、今後どのようにして介護福祉士の資格を取得すべきと国は考えるのか。

(答弁)
 厚生労働省としては、平成十九年四月二十六日の参議院厚生労働委員会における「実務経験ルートに新たに課される六月以上の養成課程について、働きながら学ぶ者の負担軽減に配慮し、通信課程を認める」こととの附帯決議も踏まえ、当該養成課程について通信制の課程により修了することも認める方向で検討を行っているところである。なお、養成施設については、現在でも、通信制の課程を認めていないところである。

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 今日(きょう)は日本語教室(にほんごきょうしつ)のお世話(せわ)に行(い)っていきました。中国人研修生(ちゅうごくじんけんしゅうせい)のみなさんが今月(こんげつ)、日本(にほん)に来(き)たのです。みんな一生懸命(いっしょうけんめい)勉強(べんきょう)しています。でもこの写真(しゃしん)の50音(おん)表(ひょう)は、何(なに)か抜(ぬ)けていますね?

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