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福田事務次官のセクハラと沈黙させられる記者

夜回り取材中にセクハラを受けていた記者の告発が週刊新潮に出てから、該当するマスコミは沈黙を続けています。

 

当事者は当然、だれか分かっていると思います。事務次官に直接呼び出されるのは番記者くらいだろうし、そんな人は記者クラブ名簿に当然名前が挙がっているだろうし、当然財務省も名簿を持っているし。

 

財務省は、弁護士を立てて調べると強気に出ています。あの強気の理由を憶測すると、記者の所属新聞社が政権に近い立場にあって、官邸は裏で新聞社幹部と話して「あの一件は社の意向と関係ない個人の行動だから、関知しない」などと言われて、個人攻撃で記者個人をつぶすことにしたのではないか、と思うのです。

 

女性が夜回り取材でセクハラを受ける、というのは、相手のプライベート時間に食い込んで情報を引き出そうとした「通常業務」の結果だけれど、こういう問題が起きた時には「勤務時間外の単独行為」とみなされるのかな。リークした記者は、きっと先輩から「業務」として夜回りを任されていたのだろうに。該当する社が名乗らないのは、自分たちも夜回りセクハラの事実を隠したいと思っているからではないでしょうか。

 

組織の取材というのはチーム作業で、事件など何もない日の夜回りは駆け出しの記者が当たることが多い。本当は新人が一人で夜回りして事務次官から特ダネが取れるわけないけれど、それは日常の確認を兼ねた「顔つなぎ」であったり、「雑談の相手」として差し出される意味合いがあります。その「雑談の相手」が時に「酒の相手」となり、相手が性的な色合いを帯びた目で記者を見始めたら、それはもう「記者」には見えないのだろうと思います。

 

そんな状態になったとき、女性記者はどうするかというと、一人で逃げ、耐えるしかない。嫉妬深い男性記者は、女性に夜回りをさせながら「あいつは体でネタを取る」と陰口をたたいたりします。今回の記者の会社は、「夜回りのセクハラはやむなし」という男社会の論理が支配している会社だったのかもしれません。そして今、沈黙している社内で、記者の彼女はどんな状態に置かれているか想像すると、本当に胸がふさぐような思いがするのです。

 

夜回りが嫌いだった記者時代を思い出して、なんだか落ち着かない日々が続いています。セクハラを告発した女性記者が孤立させられる姿は、私から見ると絶望で背筋が凍るような光景です。