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何がヘイトスピーチに当たるのですか(デモ分析)



 ヘイトスピーチを監視しよう、と呼びかけている割には、「じゃあ何がヘイトスピーチなのか」という話を深める時間が十分に取れないまま、ヘイトデモ当日を迎えようとしています。
 

 これはいけんじゃろ!ということで、法務省のHPに載っている「ヘイトスピーチに関する実態調査報告書」(平成28年3月)を参考にして、ヘイトスピーチの定義や現在のデモの実態を紹介したいと思います。
 

報告書のPDFは法務省サイト(一番下のほう)↓からダウンロードできます。
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00108.html
 

■ヘイトスピーチの定義
 

この報告書では、法務省人権擁護局の啓発活動で使われている定義「特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動」を念頭に置きつつ、一般にヘイトスピーチだと指摘されることの多い以下の3つの発言内容を抽出しています。


(1) 特定の民族等に属する集団を一律に排除する内容(例えば、特定の民族等について一律に「日本から出て行け」などとするもの)

(2) 特定の民族等に属する集団の生命、身体等に危害を加えるとする内容(例えば、特定の民族等について「皆殺しにしろ」などとするもの)

(3) 特定の民族等に属する集団を蔑称で呼ぶなどして殊更に誹謗中傷する内容


 この3種類の発言が、報告書で調査対象となる「ヘイトスピーチ」ということになります。


■デモ中6.3分に1回のヘイトスピーチ(頻度分析)
 

報告書の調査は、ヘイトスピーチを伴うデモ等の動画72件分を文字起こしして、さきほどの(1)〜(3)の発言を抽出して分析しています。
 

その結果、デモ中のヘイト発言の頻度としては平成25年は「約6.3分に1回」という結果が出ています。(動画再生時間合計1,095分のうち、ヘイトスピーチ回数175回)

ちなみに前年の平成24年のヘイトスピーチ頻度は「約3.2分に1回」です。どれほどの頻度でヘイト発言が繰り返されているかがよく分かると思います。
 

■数十人の中年男性らが排斥や蔑称を叫ぶ(状況分析)


調査ではさらに、天候、参加者の性別、年齢、規模などデモの状況を細かく分析しています。結果は概ね以下の通りです。


・ヘイト発言のうち75%が「特定の民族に属する集団を排斥する」内容のもの

・規模は100人未満が51%、100〜199人が32%、200人以上は15%

・男女で参加者の多かったほうの性別は男性が100%、年齢層は中年(30〜50歳代)が94%
 

特に2015年のデモデータに限れば、
・ヘイト発言の多くは特定民族の「排斥」や「蔑称」に関する内容で、参加規模は100人未満、中年男性の参加者が多い
 といった感じになると思います。