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治療のため来日した外国人は、国保に入れますか

 先日、外国人の方から「治療のため来日した親族を健康保険の被扶養者に入れて治療をうけさせることはできるのか」という質問を受けたので、社会保険労務士の方に聞いてみると、とても丁寧な回答をくださいました。

 これは国民健康保険のケースのみですが、回答によると、保険の適用除外となる人については、国民健康保険法施行規則1条1項1号に3か月以内の在留期間で短期滞在中の外国人、2号には治療を目的とする「特定活動」資格の外国人が挙げられています。

 理由としては、治療のために来日する外国人は、納付額に対する給付の額が大きくなることが明らかであり、公的保険の適用対象としてなじまないから、だそうです。

 これは、外国の富裕層が治療のため日本に来たいとするニーズにこたえるため、医療滞在ビザの発給を始めたことに併せて、保険制度の負担・給付のバランスを崩さないようにするため設置された規定です。


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国民健康保険法

(被保険者)
第五条  市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)の区域内に
     住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者と
     する。

(適用除外)
第六条  前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は
    、市町村が行う国民健康保険の被保険者としない。
    1〜10 略
     11その他特別の理由がある者で厚生労働省令で定めるもの

実際の省令が下記です。

国民健康保険法施行規則

(法第六条第十一号の厚生労働省令で定める者)
第一条  国民健康保険法 (昭和三十三年法律第百九十二号。
    以下「法」という。)第六条第十一号 に規定する厚生労働省令で
    定める者は、次に掲げる者とする。

   一  日本の国籍を有しない者であつて、住民基本台帳法
      (昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の四十五 に規定する
      外国人住民以外のもの(出入国管理及び難民認定法 
      (昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)に
      定める在留資格を有する者であつて既に被保険者の資格を
      取得しているもの及び厚生労働大臣が別に定める者を除く。)
      
   二  日本の国籍を有しない者であつて、入管法 別表第一の五の表の
     下欄ニの規定に基づき、病院又は診療所に入院し疾病又は傷害に
     ついて医療を受ける活動を行うもの及び当該入院の前後に
     当該疾病又は傷害について継続して医療を受ける活動を行うもの
     並びにこれらの者の日常生活上の世話をする活動を行うもの
     (前号に該当する者を除く。)

   三  その他特別の事由がある者で条例で定めるもの

 
 通達: 
 https://dl.dropbox.com/u/36156246/kokuhomedicalvisaH22.pdf

医療滞在ビザの身元保証機関って何ですか

 医療滞在ビザについて身元保証機関の登録に関する具体的なお知らせが外務省や経済産業省のHPで出ていますので、お知らせします。

【医療滞在ビザとは?】
 日本の医療機関の指示による行為(治療、人間ドック、健康診断、検診、歯科治療、温泉湯治を含む療養等)を日本で行う人に外務省が発給するビザです。ビザによる滞在期間は最大6カ月まで。場合によっては数次ビザも可能。同伴者(患者の親族である必要はありません)にも発給します。

【身元保証機関とは?】
 このビザで入国した人が治療費未払い、失踪などを起こさないよう、国内の病院との間に立って、治療費についての打ち合わせ、失踪時や不慮の事態への対応、帰国までの管理を請け負うコーディネート団体のうち、政府に登録されている機関のことです。
 海外の日本大使館・総領事館へ医療滞在ビザを申請する時には、身元保証機関の保証が必要になります。
 
 具体的には、以下の2種類の団体が登録されています。
(1)    観光庁が登録・管理する身元保証機関登録リストAに記載されている旅行会社
(2)    経済産業省が登録・管理する身元保証機関リストBに記載されている国際医療交流コーディネーター
登録団体は外務省のHPで公開されています。現在は大手旅行会社と、日本エマージェンシーアシスタンス株式会社が登録されています。
★登録旅行会社
http://www.mofa.go.jp/j_info/visit/visa/medical_stay3.html
★登録国際医療交流コーディネーター
http://www.mofa.go.jp/j_info/visit/visa/medical_stay2.html

【旅行会社の登録基準の概要】
http://www.mlit.go.jp/common/000134574.pdf
1)  旅行業法に規定する旅行業者であること。
2)  過去一年間に、継続して外国人患者・受診者等(以下、「外国人患者等」という。)の国内医療機関への受入業務の実績があること。
3)  国内の医療機関と外国人患者等受入業務の提携をしていること。
4)  この受入業務を取り扱う専管部署がある、又は専任者を置いていること。
5)  この業務に必要な外国語スタッフを配置できる体制があること。
6)  経営内容が健全であって、本件業務の取扱いが安定的に継続できること。
7)  本邦内のいかなる場所で本件業務に係る緊急事態が発生した場合でも、迅速に対応することが可能な体制を確保し、関係機関への協力を行う等の支援体制を取ることが可能であること。
8)  新たに登録の申請を行おうとする者(法人の場合は、当該法人の役員を含む。)が、過去において、外国人旅行者の不法入国、不法残留等に関与していないこと。
9)    医療滞在ビザに関して関係省庁との連絡・調整を真摯に行うことを約すること。

【国際医療交流コーディネーターの登録基準の概要】
http://www.meti.go.jp/press/20110203003/20110203003-2.pdf
1)法人であること
2) 過去二年間に、継続して外国人患者の国内医療機関への受入業務の実績があること。
3)  国内の医療機関と、外国人患者等受入業務の提携をしていること。
4)  この受入業務を取り扱う専管部署がある、又は専任者を置いていること。
5)  この業務に必要な外国語スタッフを配置できる体制があること。
6)  経営内容が健全であって、本件業務の取扱いが安定的に継続できること。
7)  貸借対照表に記載された資産の総額から同表に記載された負債の総額を控除した額が500万円以上であること。
8)  本邦内のいかなる場所で本件業務に係る緊急事態が発生した場合でも、迅速に対応することが可能な体制を確保し、関係機関への協力を行う等の支援体制を取ることが可能であること。
9)  外国人患者等の国内滞在、診療等に関する問い合わせ等に対応するために必要な事業所を日本国内に有すること。
10)  医療滞在ビザについて関係省庁との連絡・調整を真摯に行うことを約すること。
11)  登録の申請を行おうとする法人の役員が入管法違反や犯歴、政治活動歴がないこと。

 より具体的な内容&最新情報については、以下のサイトをご参照ください。

★外務省
医療滞在ビザ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/medical/index.html
医療滞在ビザの身元保証機関の登録に関するお知らせ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/medical/oshirase1102.html
「医療滞在ビザ」に係る外国人患者等受入れ医療機関の皆様へ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/medical/organizar.html

★経済産業省
医療滞在査証(ビザ)に係る身元保証機関の登録基準等を策定
http://www.meti.go.jp/press/20110203003/20110203003.html

★観光庁
医療滞在ビザに係る身元保証機関の登録基準を定めました!
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news03_000021.html


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